院長あいさつ
ご自分の家で過ごしたい、そんな当たり前の希望を、全ての患者様に実現できるよう全力を尽くします。僕自身ががんサバイバーでもあり、患者様やご家族の思いを大切にした診療を心がけていきます。

在宅医療にかける思い
在宅医療に取り組む転機となったのは、2つの大きな出来事があったからです。
(もう25年以上前になりましたが)自分自身が白血病となり入院している際、患者仲間が全く家に戻ることができずに、最期まで病院で過ごしていく姿をずっと見続けてきました。ある患者さんは「退院したいけれど、そんなことをしたら家族に迷惑をかける。これだけ迷惑をかけ続けてきたんだから、もうそんなことは絶対にできない。」と言っていました。「輸血も必要だし、家で過ごせるわけがない。そんなわがままは言えない。」という言葉も聞きました。一体何が迷惑で、何がわがままだというのかと、20代前半の自分は、無性に腹が立ったものです。もし自分が生き続けられて、医者になれたならば、かならずこの状況を打ち破ってやると思い、自分自身が医師になるきっかけにもなりました。
もう一つは、過酷な治療を続ける方々を医師の立場で診るようになってからです。ある患者さんは、17歳でしたが、治療途中で病状が悪化し、目が見えなくなり、残念ながらもう治す治療ができない状態になりました。残された時間が限られた中で、誕生日を何とか家に帰してあげたいとお母様から相談を受けました。本当に1日だけでも、お家にかえしてあげる、それくらいしか希望にこたえることは考えることができない状況でした。ただ、毎日血小板輸血をする必要があり、どうしてもそれを担ってくれる訪問診療の先生を見つけることができませんでした。「先生がこっそり血小板をもってうちに来て輸血してくれたらいいですね」と、冗談っぽく笑っておっしゃったお母様の顔は、一生忘れることができません。自分のやるべきことが、よりはっきりと見えた瞬間でもありました。
「家で死にたい」「畳の上で最期を迎えたい」・・・という言葉を耳にすることがあります。
ただ、僕は、多くの方々は、家で過ごしたい、本当ならば病気のことなんか忘れて、大事な人たちと、心穏やかに過ごしたい、そしてそんな時間が、長く続いてほしい。と思っていると考えています。もう終わりにしたい、と思うとすれば、それはそれだけのつらさがあるからであり、そのつらさを少しでも減らせるよう、一緒に取り組んでいけたらと思っています。
トータス往診クリニック 院長

